シーリング剤とは?種類や用途について紹介します!
2022/11/05
住宅の寿命に関係する要素はいくつかありますが、中でもシーリング剤は非常に重要な要素と言えます。
このシーリング剤とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、名古屋市周辺で外壁塗装を検討中の方へ、シーリング剤の概要や種類・用途について紹介します。
□シーリング剤とは
建物には、各部分につなぎ目があります。
そのような部分では、雨水の浸入や湿気のリスクがあります。
もし雨水が入ったり、湿気が発生したりすると、建物には様々な弊害があります。
特に、木造住宅では柱の腐食やシロアリによる被害に繋がってしまいます。
そのようなリスクが生じないように充填されるのが、シーリング剤です。
シーリング剤は主に鉄筋コンクリート造の打継ぎ部分や金属パネル、サッシやガラスの周辺、石・タイル目地、スレート板のつなぎ目、笠木の取り付け部分などに用いられています。
さらに、モルタルやコンクリートに何らかの原因でひび割れが起きた時の補修手段としても活躍します。
これらの用途からも分かる通り、シーリング剤は住宅の様々な箇所のいかなる変形に対応できる柔軟性・伸縮性、変形に対応できる耐久性、雨水を浸入させない不浸透性を持っています。
しかし、一方でシーリング剤は外的環境への適切な対策がとられていないと寿命が短くなる可能性があります。
外的な要因としては湿度や温度、降雨などが挙げられ、これらを考慮していなければ本来のパフォーマンスが損なわれる可能性があります。
□寿命とリフォームについて
シーリング剤の寿命は5〜10年と言われています。
維持のための努力を怠って劣化が進行してしまうとひび割れが起こります。
そうすると、雨水が浸入するようになってしまい、建物の根幹部分にダメージが蓄積します。
この5〜10年という寿命を意識して適切にメンテナンスすることで、家自体の寿命を延ばせるでしょう。
*劣化原因
1つ目は、経年劣化です。
シーリングには寿命があり、劣化が進行するとひび割れが起こってしまいます。
樹脂製のシーリングの劣化の原因としては、紫外線・雨風・砂ぼこり・気温差などが挙げられます。
特に、直射日光が当たりやすい部分のシーリングは他の部分よりも早く劣化するので、日頃から点検することが大切です。
2つ目は、外部刺激です。
地震や強風などの外部からの大きな刺激によっても劣化してしまいます。
外部からの刺激から壁材を守るシーリングですが、その耐久性を超える衝撃を受けると破損に繋がるでしょう。
3つ目は、壁材の変形です。
一部の壁材は、湿気の吸収や寒暖差で膨張を起こす可能性があります。
膨張が起こると、シーリングが圧力を受けて破れることがあります。
特に膨張が起こりやすい壁材を使っている場合は、注意しなければなりません。
*リフォーム費用
シーリングのリフォームには「打ち換え」、「増し打ち」の2種類があります。
打ち換えは打ち直しとも言い、元のシーリングを取り払った上で新しく打ち直す方法です。
シーリング自体が新しくなるので、耐用年数は5〜10年ほどになりますが、その分コストがかかります。
費用相場は、1メートルあたり約900〜1,200円です。
また、既存のシーリング撤去に約1〜3万円、足場代が約15〜20万円かかります。
増し打ちは劣化したシーリングの上から新しくシーリング剤を施す方法です。
撤去の必要がないので費用を抑えられるものの、打ち換えよりも耐久性は低くなり、耐用年数は短くなります。
費用相場は、1メートルあたり約500〜900円です。
また、足場代が15〜20万円かかります。
□種類について
シーリング剤には、主に5つの種類があります。
1つ目は、ウレタンです。
ウレタンは、優れた耐久性が特徴です。
硬化によって弾力性が向上し、密着性も高まります。
弾力性や密着性もメリットを活かすために、目地や外壁のひび割れの補修に使われることが多くなっています。
一方で、耐候性が低いことやホコリを吸着すること、紫外線に弱いことはデメリットとして挙げられます。
これらのデメリットから分かる通り、屋外での使用には塗装による保護が必要です。
2つ目は、シリコンです。
シリコンは、耐熱性や耐水性、耐候性に優れた塗料です。
また、価格が安くコストパフォーマンスの高さも魅力です。
充填後はシリコンオイルが出るため、周辺が汚れやすくなります。
また、上からの塗装は不可能です。
3つ目は、アクリルです。
アクリルは、価格が安く作業性に優れています。
しかし、耐候性や耐久性が低く、硬化後に肉やせが起こりやすいです。
新築時に使用されることが多い一方で、メンテナンス性の低さからリフォームではほとんど使われません。
4つ目は、変成シリコンです。
これは、ウレタン樹脂が原料で、耐候性や塗装性に優れた塗料です。
様々な用途に使える一方で、耐久性が低く、ウレタンよりも密着性が劣ります。
5つ目は、1液性・2液性のシーリング剤です。
1液性は、コーキングガンを使うタイプや缶タイプがあり、そのまますぐ使えます。
準備の手間が少ないので主に部分補修のために使われます。
2液性は、主材と硬化剤が分かれているタイプです。
用途に合わせて分量を多く作れますが、専用の攪拌機(かくはんき)で混ぜ合わせる必要があります。
□おすすめのシーリング剤について
おすすめのシーリング剤としては、セメダインのPOSシールシリーズが挙げられます。
シリコン系で高性能かつ万能型なので、どんな箇所でも使え、シーリングガンで充填するだけで済みます。
また、変成シリコンなので後からの塗装が可能という使い勝手が良い面もあります。
ホームセンターでも取り扱いが多い商品なので、迷ったらこのシリーズを選ぶと良いでしょう。
一般人に適している1成分型変成シリコン系シーリング剤は1本あたり489〜1,890円です。
また、充填に必要なシーリングガンは1本199〜46,800円です。
□シーリング剤の使用が好まれないケースとは
便利で使いやすいシーリング剤ですが、どんな場合でも使って良いとは言い難いです。
闇雲に隙間があればシーリング剤で埋めるというような対処をしていると、かえって雨漏りが発生することがあります。
その主な原因としては、排水部位をシーリング剤で塞いでしまうことです。
排水部位を塞ぐと、水の逃げ道がなくなるので、室内への浸入に繋がります。
また、通気性が悪化するので下地材や構造材などの根幹部分にも悪影響が出ます。
基本的に、屋根の横軸方向の隙間にシーリング剤を充填するのは避けましょう。
コロニアルや日本瓦の横軸にある隙間は屋根内部に入った雨水を排水する役割を担っています。
修繕のために全面的にシーリングを充填したり、防水塗料を施したりしたことで、より状況が悪化したといったケースは少なくありません。
また、サイディング壁と屋根の取り合い部にシーリング剤を充填することによっても雨漏りの悪化に繋がります。
サイディング壁は通気層を設けています。
この通気層は湿気の放出や、排水の役割を担っています。
室内で雨漏りが発生し、何も考えずにこの部分にシーリング剤を充填した結果、かえって雨漏りが悪化したというケースもあります。
□まとめ
今回は、シーリング剤とは何かや種類、おすすめの商品や注意点を紹介しました。
シーリング剤は、住宅の寿命に直結する非常に大切な部分です。
シーリング剤選びやメンテナンスは細心の注意を払って行いましょう。