江戸時代と同じ広さの空
2022/09/05
今日の名古屋市緑区は、台風の影響で雲が多めの秋空でした。
雲が多めではありましたが・・・時間帯によっては青空も覗かせた月曜日。
明日以降は台風の影響で雨予報が続くので、貴重な晴れ間でした。
さて、今日はリフォーム工事のお見積りをお伺いする為、午後から外出でした。
その経由地に地元・緑区有松の東海道。
移動中の車内より町並を拝んで改めて思うのですが・・・
何故、こんなに有松は青空が似合うのでしょうね。
立派な瓦が乗ったお屋根や漆喰壁の威風堂々たる家屋の並ぶ町並みと青空とのコントラストは「インスタ映え」という言葉が存在する以前から訪れる人々の心をつかんできました。
「日本遺産のまち有松」として選定された時に
江戸時代の情緒に触れる絞りの産地
~藍染が風にゆれる町 有松~
と称されたように、連綿と続く絞り商の営みが今も町の中にちゃんとあって、江戸時代と同じ時の流れが今も生きているからなんですよね。
町の先輩方の深い郷土愛とたゆまぬ努力が、幾度の時代の変遷を乗り越え、現代、そしてその先へと歴史を紡ぐ・・・「絞り」「町並み」「まつり」と共に生きる町有松。
「江戸時代と同じもの」はほかにもあります。
実は、江戸時代と同じ広さの空が、令和になった今も、有松東海道の上に広がっています。
「電柱の地中化」
それは私が有松に住む前のお話・・・今から10年ほど前は、有松には電柱がありました。
私が住む前の事なので、その景色は写真や先輩方のお話でしか知らないのですが、地中下する以前は、東海道も一方通通行ではなく、東西をクルマが行き交っていたと聞きます。
時代と共に、大型トラックも通ったり、通行車両も増え、対向車を避ける為に屋根すれすれにトラックを寄せて対向車とすれ違い待機をしなければならなくなったり、電柱を避ける際は対向車に気を付けながら対応しなければならかったりと、大変だったようです。
文化的価値のある町並みを守る意味でも必要だった電柱の地中化・・・。
電柱の地中化に伴い、東海道も一方通行を導入し、現在の景色となりました。
これらの努力が評価され、伝統的建造物群保存地区への選定や日本遺産への選定を受けた有松。
私はこの景色を見るたびに、本当に有松は「この町を未来の世代の人たちに残してゆこう」という町の方々の想いで成り立っているのだなぁ、と胸が熱くなります。
日常に広がる景色ではあるけれど・・・絶えず先輩方がコツコツ積み重ねてきた想いや努力で今の景色があって、これからも紡がれてゆくんですよね。
改めて有松や有松の人って凄いなぁと思います。
有松の空は毎日同じようで、全く違う。
空の高さや町並みの輝き方、庭木のたたずまい等、すべてが季節と共に移ろっていきます。
そんな景色にふれながら、日常で拝める事に、今日も感謝しながら、東海道を通りました。