【名古屋市】屋根塗装の見積もり・相談前に知っておくべき基礎知識

屋根の種類

屋根の種類によって違う塗装の必要性や耐用年数を見ていきましょう。

化粧スレート

塗装	10年を目安に必要
耐用年数	20年～25年

「コロニアル」「カラーベスト」「人工スレート」とも呼ばれる板状の屋根材です。高機能で安価なため、近年の新築物件の多くは化粧スレートを採用しています。割れやすいことや塗装をはじめとしたメンテナンスが必要であることなど、デメリットもありますが非常にコストパフォーマンスの高い屋根材です。

天然スレート

塗装	不要
耐用年数	20年以上

化粧スレートと同じ板状の屋根材ですが、「天然」という名前の通り本物の岩石を材料にしています。化粧スレートにはない天然石独特の風合いと高級感があり、塗装が必要ありません。耐用年数は20年以上としていますが、化粧スレートよりも長持ちします。

粘土瓦（日本瓦・洋瓦）

塗装	不要
耐用年数	50年以上

「陶器瓦」「いぶし瓦」とも言われる、昔の家屋によく見る瓦です。メンテナンスはほとんど必要ありません。破損した場合もその部分だけ交換して修繕が完了します。

セメント・コンクリート瓦

塗装	10年～15年を目安に必要
耐用年数	30年前後

「モニエル瓦」とも呼ばれる、セメントやコンクリートで作られた瓦です。現在はほとんど生産されていません。塗装により防水性を維持しているため、退色や変色、粉吹きなどが見られたら塗り替えが必要です。

ガルバリウム鋼板

塗装	15年を目安に必要
耐用年数	30年前後

ガルバリウム鋼板は複雑な形の屋根にも対応でき、軽くて錆にくく防水性も高いといった強みがあります。しかし、傷が付きやすく塗装も必要であるため、定期的なメンテナンスをしないと機能を維持できません。

トタン

塗装	7年～10年を目安に必要
耐用年数	10年～20年

トタン屋根は、機能性が低いですが安価なため、倉庫や作業小屋に多く使われています。非常に錆やすい特徴があり、定期的な錆取り（ケレン作業）と塗装が必要です。

アスファルトシングル

塗装	10年～20年を目安に必要
耐用年数	20年～30年

日本ではまだ少ないですが、北米では一般的な屋根材です。錆びない・割れない・耐震性が高いといったメリットがありますが、カビやコケが生えやすいので定期的な塗装で機能と美観を維持する必要があります。

日数はどのぐらいかかる？

屋根塗装は塗るだけで終わりません。工程と必要な日数を知っておきましょう。

屋根塗装に必要な日数は10日前後が基本

現在主流の化粧スレート屋根を塗装する場合は、以下の工程が必要です。

ご挨拶と下準備	1日
足場の設置	1日
屋根の洗浄と乾燥	1日～数日
下地補修	1日～数日
塗装前の養生	1日
下塗りと乾燥	1日～数日
中塗りと乾燥	1日～数日
上塗りと乾燥	1日～数日
タスペーサー（縁切り）	1日～数日
足場の撤去と片付け	1日

屋根の面積や天候に、必要な工事日数は左右されます。一般的な戸建サイズで天候に恵まれていれば、ほとんどの工程は1日で完了しますが、それでも10日かかる計算です。とくに乾燥にかかる時間が工事期間を左右しますので、湿度が高く雨が多い梅雨や、寒い季節は工事期間が長くなると考えておきましょう。また、タスペーサー完了後に確認や手直しを行います。このときに大幅な修正が必要になった場合は、その工事分の日数がかかりますので、12日前後は工事期間を見ておいたほうが安心です。

短すぎる工期は危険

必要な作業を適切に行った場合、前述のように1つの作業に1日ほどかかります。そのため、1週間ほどで屋根塗装が終わったり、早く終わることをアピールしたりする業者には警戒した方がよいです。一見すると塗装は綺麗にされていても、見えにくいタスペーサーや下塗りが雑であとからトラブルになる可能性があります。とくに、工期を短くするために乾燥を待たずに進める業者が多いです。完全に乾燥する前に次の塗装をしてしまうと、塗りむらや塗料の剥離が発生します。

よく聞く失敗事例

屋根塗装のトラブルの中でも似たような事案が多い失敗談を、3つご紹介いたします。

大手ハウスメーカーというだけで依頼してしまった

少しくらい高くても、と有名なハウスメーカーに屋根塗装を依頼したところ、その請求額は地元の塗装業者の見積もり金額よりも20万円以上高いのに気づきました。これは、ハウスメーカーが下請け業者に依頼した際に中間マージンが発生していたからです。仲介料のことを聞いていなかったので問い合わせをしましたが、見積もりにはそのことが記載されていたため、結局は請求額を支払うことになりました。

見積もりの安さだけで契約してしまった

前回の塗装から10年ほどが経過し、屋根の状態が気になっていたところタイミングよく保険の満期が来たので、そのお金で屋根塗装を依頼することにしました。複数社で見積もりをとったところ、相場よりも大幅に安い期間限定価格で工事をしている業者を見つけます。これはラッキーだ！と急いで契約し、工事も順調に終わり満足しました。

ところが、半年ほど経過した大雨の日に突然雨漏りがはじまります。慌てて別の業者に屋根の状態を見てもらうと、コーキングがされていないことや、塗装が剥がれていることを指摘されました。これは最初に屋根塗装を依頼した業者の下処理の甘さや、乾燥不足のまま次の塗料を塗ったことが原因です。もしかしたら薄めた塗料を使っていたかもしれません。再度屋根の修理と塗装を行うことになってしまいました。

業者が言うままに塗料や工事を決めた

ある日訪問してきた塗装業者に、30年塗り替え不要の塗料の話や、雨漏り直前の屋根の状態を聞かされました。中古で購入した一戸建で、塗り替え回数も減らしたかったため、業者がすすめる塗料と工事をそのまま依頼しました。工事が終わって数ヶ月してから知人にその話をしたところ、30年も持つ塗料が存在しないことを聞かされます。また、屋根の修繕は引っ越してくる数年前に済ませてあったこともわかり、今回の工事が不要なものだったのでは？と疑念を持ちました。そのことを業者に問い詰めようとしましたが、電話はすでに繋がらず所在地ももぬけの殻だったそうです。

注意点とポイント

屋根塗装のトラブルの回避には、業者選びと正しい知識が重要です。こちらでは、知っておきたいポイントをご紹介いたします。

見積もりは金額以外もしっかりと見る

「見積もりをしっかりと複数の塗装業者でとり、その中から1番安い業者に依頼する」一見すると、正しい方法で節約しつつ屋根塗装ができる方法に思えます。しかし、見積もりの価格だけを見て判断することは失敗の元になります。必ず「見積もりに含まれている作業内容」を確認しましょう。加えて、塗装範囲にも注意が必要です。建物の平面図や立体図を確認して、屋根の面積と塗装範囲が合致していることも確認してください。

アフターフォローがある業者を選ぶ

塗装は工事完了後すぐに問題が起こることは少なく、数ヶ月～数年後に手抜き工事やミスが発覚します。それに対応してもらえるように、長期間の保証がありアフターフォローが充実している業者を選ぶようにしましょう。保証期間が長い業者は、それだけ塗装に自信があるということです。信頼度の目安としても活用しましょう。名古屋市の有松塗工店では、10年の長期保証をしております。

塗料選びは自分でも性能を調べる

屋根塗装に使う塗料は自分である程度性能を調べて、価格と効果性に納得できる製品を選びましょう。

この3つは一流の塗料メーカーです。高い性能があり、安心して使えます。指定した塗料を断られたり、自社塗料を推奨されたりする場合はその塗装業者は危険かもしれません。

塗装回数と屋根の状態を把握しておく

屋根塗装は、3回ほどが限界です。それ以上繰り返すと塗膜が分厚くなり、割れたり剥がれたりするリスクが高くなります。築年数が長い建物の場合、繰り返し屋根塗装を行っている可能性があるので要注意です。工事直前になって塗装のリスクが高い、あるいは塗装できないとなるとお客様も業者も困ってしまいます。塗装回数がわからない場合は、塗装業者に事前に相談して屋根の状態をチェックしてもらいましょう。

塗装に適した時期に依頼する

屋根塗装の耐用年数は環境や塗料に左右されますが、10年ほどだと考えておきましょう。新築や前回の塗装から10年経過したら、そろそろチェックが必要になります。塗装に適した季節は雨が少なく、空気も乾燥する春と秋です。ほとんどの塗料は気温が5℃以上で湿度が85%を超えない環境なら使用できます。しかし、天候が安定している季節ほど工事は順調に進み、仕上がりも美しくなるため、計画的に依頼するのがおすすめです。名古屋市の夏は雨が多いので、夏場は避けて春か秋～冬の入りくらいがよいでしょう。